おいちょかぶは戦略を楽しめるゲーム!そのルールと遊び方を詳しく解説します

花札を使ったゲームのひとつに「おいちょかぶ」があります。親と子が勝負するという独特のルールですが、戦略性も楽しめるのが魅力です。今回はこのおいちょかぶのルールと遊び方を詳しく説明します。

「おいちょかぶ」は花札のゲーム

「おいちょかぶ」は花札を使って遊ぶゲームの中のひとつです。2人から5人くらいまで遊べるのが特徴となります。

おいちょかぶは花札を使う

おいちょかぶは花札を使って遊ぶゲームです。ただし、1組48枚をすべて使うわけではありません。花札には1月から12月まであり、それぞれに4枚の札があります。そのうち、11月と12月を除いた10月分を使い、それぞれ4枚ずつあるので全部で40枚の札を使うルールとなっています。

これと同じようなカードとしてトランプがありますが、実はトランプカードを使っても同じようにおいちょかぶができます。

つまりおいちょかぶは花札を使う場合、それぞれの札の点数は使わずに、単純に「月数」のみを加味してプレイするのがルールです。

おいちょかぶは親と子が勝負するゲーム

花札のおいちょかぶはゲームに参加するプレイヤーが1人の親とそのほかの子に分かれてプレイします。そしてその1人の親とすべての子が勝負するルールとなっています。子同士は勝負することはありません。

親と子が点数を賭けて勝負するスタイルとなりますが、点数を賭けるのは子であり親はそれを受けるという形になっています。また親は1回のゲームが終わると交代するわけではなく、交代するための条件がルールで決まっています。

それでは、おいちょかぶのゲームの進め方を説明します。

おいちょかぶの遊び方

おいちょかぶの遊び方を説明します。人数は2人から4、5人くらいがおすすめです。

点数計算の道具を準備する

用意するのは花札ですが、11月と12月の8枚は除いた40枚を使います。

1月(松)

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2月(梅)

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3月(桜)

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4月(藤)

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5月(アヤメ)

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6月(牡丹)

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7月(萩)

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8月(ススキ)

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9月(菊)

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10月(紅葉)

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そしてもうひとつ、点数計算のための道具(チップ)が何かあると便利です。

点数を紙に書いて計算してもよいのですが、簡単にマッチ棒や爪楊枝などを用意するとよいでしょう。麻雀の点棒のようなイメージですが、点数が多くなるので1点・5点・10点などがわかるようにマーカーなどで印をつけておけばよいかと思います。

このチップを最初に参加者全員に分配しておきます。

「胴前」を決める

おいちょかぶのルールが特殊なのは、子が張る(賭ける)点数の合計に上限があるということです。たとえば4人の子がいるとして、それぞれが10点を張ったならば合計は40点となります。それを上限としたら、「胴前」は40点となります。

そしてここがおいちょかぶの独特なルールですが、最初に張る子も次に張る子も、点数はこの胴前を上回らなければいくらでも張ることができます。子が張る点数を胴前から差し引いていき、次の子はその胴前の残りを上限に張る点数を決めるということです。

仮に1番最初の子が胴前いっぱいの点数を張ってしまうと、2番目以降の子は張ることができません。もっともそのような行為は禁止されてはいませんが、失礼にあたるので避けたほうがよいでしょう。

この胴前を何点にするのかを最初にプレイヤーみんなで決めておきます。たとえばそれぞれのプレイヤーに分けたチップの半分、といった形で決めておくとよいでしょう。

親を決める

花札(40枚)と点数計算の道具を用意し、胴前を決めたら次は親を1人決めます。おいちょかぶはゲームの参加人数が何人であっても親は1人になるルールです。

まずは誰でもよいのでよく切った(シャッフルした)花札を裏向きに置いて、プレイヤーはそれぞれ花札の山から1枚を取ります。そしてその札が1番若い(早い月)のプレイヤーが親となります。

親が決まれば、残りの子となるプレイヤーは親と対面する形で横並びに座ります。子は札を引いた順に親から見て反時計回りに座ります。

場札を配る

親が決まったら、まずは親が札をよく切って子に渡します。札を受け取った子はその札を裏向きのまま親の前に山にして置きます。以降は親が札を手に持つことなく、山の上から札をめくるようにして引くルールとなります。

親は目の前に札の山が置かれたら、上から順にめくり子の前に1枚ずつ表向きに配ります。これは「まき札」といって、ゲームで使うことはありません。おいちょかぶではこの「まき札」は、ただ子の前に置いておくだけのルールとなっています。

続いて親は札の山から1枚ずつ表向きにして場に置いていきます。札は計4枚、親から見て左から順番に横一列にして置きます。残りの札は山のまま手をつけずに置いたままにしておきます。

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子が「場札」に張る

親が場に札を4枚置いたら、子が張る(賭ける)番になります。この時、次のようなルールがあります。

・場札に張る順番は早い者勝ち

・4枚の場札から1枚を選び、その場札にチップ(用意したマッチなど)を置く

・張られたチップの合計が胴前に達したら、それ以上張ることはできない

・同じ札に複数の子が張ってもよい

1人の子がどれだけ張ることができるのか、おいちょかぶのルール上は明確に定めてはいません。しかし最初に張った子が胴前のほとんどの点数となると、ほかの子が張ることができません。そのため、1人でどれだけの点数を張るのかはそれぞれの節度に任せることになります。

親が自分の手札を引く

子が場札に張り終えたら、次は親が山から手札を1枚引いて子に見えないよう、また自分も見ずに伏せて手元に置きます。親が手札を引く方法は次の3種類があり、どれを選んでも構いません。

・「通常」…山札の1番上の札を引く

・「三丁嫌い」…山札の上から4番目を引く

・「なめ」…山札の1番下の札を引く

親が場に2枚目の札を配る

親が手札を1枚引いたら、次に場札を4枚引きます。この時、最初に置いてある場札の下に揃えるようにして裏向きのまま、左から置いていきます。

親が札を置き終わったら、子は自分が張った札の裏向きになっている2枚目を、親が見えないように確認します。そして1枚目との合計を暗算しておきます。

この合計数の「一桁目」を親の手札と子が張った場札で比べて、「9」に近いほうが勝ちとなるのがおいちょかぶのルールです。それを考慮して、子は合計数の一桁目が小さいと判断すれば、もう1枚追加するかどうかを判断します。

数の呼び名は次のようになっています。

・「0」…ブタ

・「1」…ピン

・「2」…ニゾウ

・「3」…サンタ

・「4」…ヨツヤ

・「5」…ゴケ

・「6」…ロッポウ

・「7」…シチケン

・「8」…オイチョ

・「9」…カブ

子は3枚目を追加するか否かを決める

子が全員2枚目の場札を確認したら、親はもう1枚追加するかどうかを左から順に聞きます。「いる」と答えた子が張っている場札に3枚目の札を引いて、表向きに置きます。

この時、同じ場札に2人以上が張っていれば、1番多い点数を貼っている子に3枚目を引くかどうかの選択権があります。もし点数が同じであれば、子同士が相談して決めます。

ただし、子が3枚目を要求する前に次のようなルールがあるので注意しましょう。

  • 「サンタは引き」…2枚目までの合計の一桁目が3以下であれば必ず3枚目をもらう
  • 「シチケン引きなし」…2枚目までの合計の一桁目が7以上ならば3枚目はもらえない

親が2枚目の手札を引く

3枚目の場札を配り終えたら、最後に親が山札から2枚目の手札となる札を引きます。1番上から1枚引いて、子が見えないように確認して場に裏向きにして置きます。子と同じように2枚の合計の一桁目が4・5・6のいずれかであれば、必要と判断したらもう1枚を山札の1番上から引いて裏向きに置きます。3以下であれば必ず3枚目を引かなければなりません。

ただし、この3枚目を引く前に親は2枚のみで、勝てると判断した任意の子の場札と勝負することができます。勝敗はすべての札を表向きにしたあとで確認しますが、3枚目を引く前に勝てそうな子の場札と勝負することを宣言できます。

以上で札引きは終わり、親と子の勝負に移ります。

親と子の勝敗が決まる

場札と親の手札の伏せてあるものすべてを表向きにします。そして合計数の一桁目を比べて、親よりも大きな(「9」に近い)数字の場に張った子が勝ちとなります。親が3枚目を引く前に勝負を宣言していた子の場合は、親の最初の2枚の合計と比べて勝負します。

おいちょかぶのルールはあくまでも親と子が勝負するというものなので、子同士は勝負することはありません。

精算する

親と子の勝敗が決まったら、点数の精算をします。親と子で勝ったほうが負けたほうから張った点数分のチップを受け取ります。

もし親が親となってからのトータルの獲得点数あるいは失った点数が胴前以上となれば、親は交代となります。その場合、親の右側にいる子が親となるルールになっています。

以上で1回の勝負が終わり、全部で12回戦を行います。そして最終的にもっとも多くの点数を持っていたプレイヤーが勝利します。

おいちょかぶの特殊な役

最後に、おいちょかぶのルールとして定められている特殊な役について説明します。

親の特権となる役

親だけの特権となる役に、次の2つがあります。

  • 「シッピン(四一)」…1枚目が4月札で2枚目が1月札の場合、子が張っている点数すべてを総取りできます
  • 「クッピン(九一)」…1枚目が9月札で2枚目が1月札の場合、子が張っている点数すべてを総取りできます

ただしこのふたつの役のうちどちらかが出来ていたとしても、次に説明する「アラシ」を子が作っていたら勝つことはできません。

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子の特権となる役

3枚目の札を引いて3枚の札すべてが同じ月だった場合、「アラシ」という特別な役になります。これは子が親のどのような役にも勝てる特権です。

アラシが出来た場合には、自分が張った点数の3倍を得ることになります。また、親にシッピンやクッピンが出来ても、アラシが出来ている人がいたら勝つことはできず、アラシだけが得点を得ます。

もし子がアラシを作っていたならば、親が2枚目を引く前に申告して点数を精算します。もし複数の子でアラシが出来ていたならば、合計数の一桁目で勝敗を決めます。さらに親もアラシを作っていた場合には、やはり合計数の一桁目が大きいほうの勝ちとなります。

親の交代

親は次の条件を満たした時に、親の右側の子と交代します。

  • 親の持ち点から胴前の点数分が増減する

あるいは減少時のみ、胴前の倍額とする場合もあります。これは最初に参加者でルールとして決めておくとよいでしょう。

まとめ

おいちょかぶは親と子が勝負するルールとなる花札のゲームです。札をあらたに引くかどうか、というところに戦略性が生まれるのでゲームの上級者も楽しめると思います。また、おいちょかぶのルールは覚えやすいので、初心者でも十分に楽しめるでしょう。ネットでも遊ぶことができるので、興味のある方はぜひ遊んでいただければと思います。

Posted by adminshichijuku